医院紹介
院長ストーリー
圧倒的な症例数を経験した病院勤務時代
大学卒業後に勤務した病院(長野赤十字病院口腔外科)は長野市を中心に広い医療圏をカバーする中核病院、とくに口腔外科専門医療機関は地域唯一であったため、地元の歯科医院からの紹介も多く、年間新患数は4000人超と全国的でもトップクラスの症例数。親知らず等の難抜歯や小手術、手術室での症例も多く経験。また、交通外傷などの救急処置、口腔がん患者さんの治療等、通常の歯科医院では経験できないような様々な症例を経験し、7年間の勤務で通常の大学病院の口腔外科医よりはるかに経験を積む。
様々な患者さんを診るなかで見えてきた事とは?
病院では他の診療科の患者さんを診ることも多く、脳梗塞などで寝たきりの患者さんの口腔管理を依頼されることも多かった。このような患者さんを担当しているうちに自分なりに気づいた事があった。それは、「歯の数と健康」の関係。寝たきりの患者さんの多くは「歯がない」のである。正確には歯は何本か残っているが「咬めるところがない」という状態。一方で、病院まで1人で車を運転して来る、遠く1時間以上かけてバスを乗り継いで通院する80歳代90歳代の元気な高齢者も多く、こちらの方々は寝たきりの入院されている患者さんとは対照的に「歯がある」、「しっかり咬める」という衝撃の事実。なかには9026(90歳で26本ご自分の歯)の方もいたぐらいであった。この頃から「自分の歯で咬めることは若さの秘訣なのか?」と考えるようになったが、当時は、一般歯科治療の経験も少なく確信は持てていなかった。
仮説から確信に
口腔外科退職後、長野市内の歯科医院に勤務しながら、長野市で開業されている日本の歯周病治療の大家の先生のもとで勉強させていただく機会を得ることができた。
その先生は、『生活由来疾患である歯科疾患は患者さんが生活習慣を改め「自ら治す」もの』。という考えのもと、患者さんが「自ら治す」ための必要な知識と技術を提供し、その手助けをすること。そして患者さんが「自ら治す」ところまでの最小限の環境を提供すること。歯だけでなく、患者さんの生活環境や全身的な健康も考慮した「トータルな視点から口腔をみる」こと。を意識して診療されていた。歯周病を軸とした予防中心の歯科医療の現場で時間を過ごす中、口腔外科での経験がリンクし、しだいにおぼろげであった、歯と健康の因果関係についての考えが整理されていく。勉強させていただいた歯科医院では、歯科衛生士の仕事に対する充実ぶりや圧倒的な組織力も印象的であり、歯科医療の在り方という事について大きく影響を受けた。
口腔外科の経験がある故に、「抜歯よりも歯を残すことの方がはるかに難しい」との想いは強く、神奈川に戻ってからは「大切な歯を残す」ための治療としてマイクロスコープやインプラントなどの研鑽を積んでいく。
元気、長生き、健康のもとは「自分の歯で食べられること」であると確信し、自分の理想とする歯科医療のイメージも形成されることに。
「いつまでも自分の歯で食べられること」が全身の健康維持につながり、生活習慣病の減少にもつながっていく。多くの方に健康で元気に長生きしていただきたい、「笑顔溢れる地域づくり」。「長期的な管理」、「歯科衛生士の活躍する歯科医院」。長年にわたる様々な経験を経て構築された理想の歯科医療のイメージの実現化を、これからも追求し続けていく。