医院ブログ

2023.04.09更新

 「歯肉炎」「歯周炎」「歯周病」…似たような病名で違いは何か?と疑問に思う方が多いのではないでしょうか。

 

まず初めにこの3つの病名を整理すると、「歯周病」という大きなくくりの中に、「歯肉炎」と「歯周炎」の病気が存在します。

「歯周病」というのは「歯肉炎」「歯周炎」の総称なのです。

「歯肉炎」や「歯周炎」というのは歯周組織の炎症の部位や症状で呼び方が変わります。
歯周組織は『歯肉(歯茎)・歯根膜・歯槽骨(しそうこつ)・セメント質』という組織からできています。


これから「歯肉炎」と「歯周炎」の炎症の部位や症状、炎症が起こる原因を解説していきます。

「歯肉炎」は歯肉(歯茎)に炎症がある状態のことをいいます。
歯肉炎の主な症状は歯肉(歯茎)の出血・腫れです。
歯肉炎の場合は歯槽骨(しそうこつ)といって歯を支える骨の破壊がないのが特徴です。
この症状の原因は歯磨きがうまくできずに歯に汚れ(歯垢:プラーク)が付着したままになっていることが多いのですが、体調不良や服用している薬、歯肉(歯茎)に傷がついたときにもこの症状がでることがあります。
歯周病の中でも早期に治療やセルフコントロール(特に歯磨き)をすることによって改善しやすい状態といえます。

「歯肉炎」をそのままにしておくと、「歯周炎」に進行します。
歯周炎は歯肉(歯茎)に限局せず歯周組織全体に炎症がある状態をいいます。
歯周炎になる原因の多くはプラークが歯に長期的についたままで歯周病菌が増殖して歯周組織を破壊することです。
歯周炎の症状は歯槽骨まで炎症が進み、骨の破壊がありますが通常痛みはありません。
骨が破壊されると元に戻すことは難しくなりますが、歯周組織再生療法によりその病態にあった治療を行えば、破壊された骨を含めた歯周組織はある程度回復することが可能になりました。

しかし、歯周組織の回復率は100%ではないため、できる限りこれらの症状が出る前に検診や治療をすることが望ましいです。


歯周炎の初期では痛みがほぼないので進行していると気づかないままが多く、ある時いきなり強い痛みや違和感がでます。痛みや違和感がでた時の多くは歯周病菌が歯の根の先端で増殖し膿が溜まった状態で、膿が歯肉(歯茎)から漏れ出てくることもあります。

この膿は骨を溶かす力があるので歯槽骨が破壊され、いずれ歯が抜け落ちてしまうことにもなります。まさに歯周炎の末期状態なのです。


口の中の病気である「歯周病」ですが放置するリスクは大きく、歯周病菌が血管の中に入って全身を巡るため、心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化・狭心症・糖尿病・認知症などの発症リスクを高めます。更には低体重児出産や早産になるリスクもあります。

「歯周病」は全身疾患にも深く関わってくるのです。

 

今回は「歯肉炎」「歯周炎」「歯周病」の違いについて、炎症の部位や症状、炎症が起こる原因について解説しました。

当院は歯周病治療に力を入れています。
歯周病について更に詳しく知りたい方はお気軽に当院までご相談ください。

ペリオイラスト

 

投稿者: 桜井歯科医院

2023.04.09更新

 「歯肉炎」「歯周炎」「歯周病」…似たような病名で違いは何か?と疑問に思う方が多いのではないでしょうか。

 

まず初めにこの3つの病名を整理すると、「歯周病」という大きなくくりの中に、「歯肉炎」と「歯周炎」の病気が存在します。

「歯周病」というのは「歯肉炎」「歯周炎」の総称なのです。

「歯肉炎」や「歯周炎」というのは歯周組織の炎症の部位や症状で呼び方が変わります。
歯周組織は『歯肉(歯茎)・歯根膜・歯槽骨(しそうこつ)・セメント質』という組織からできています。


これから「歯肉炎」と「歯周炎」の炎症の部位や症状、炎症が起こる原因を解説していきます。

「歯肉炎」は歯肉(歯茎)に炎症がある状態のことをいいます。
歯肉炎の主な症状は歯肉(歯茎)の出血・腫れです。
歯肉炎の場合は歯槽骨(しそうこつ)といって歯を支える骨の破壊がないのが特徴です。
この症状の原因は歯磨きがうまくできずに歯に汚れ(歯垢:プラーク)が付着したままになっていることが多いのですが、体調不良や服用している薬、歯肉(歯茎)に傷がついたときにもこの症状がでることがあります。
歯周病の中でも早期に治療やセルフコントロール(特に歯磨き)をすることによって改善しやすい状態といえます。

「歯肉炎」をそのままにしておくと、「歯周炎」に進行します。
歯周炎は歯肉(歯茎)に限局せず歯周組織全体に炎症がある状態をいいます。
歯周炎になる原因の多くはプラークが歯に長期的についたままで歯周病菌が増殖して歯周組織を破壊することです。
歯周炎の症状は歯槽骨まで炎症が進み、骨の破壊がありますが通常痛みはありません。
骨が破壊されると元に戻すことは難しくなりますが、歯周組織再生療法によりその病態にあった治療を行えば、破壊された骨を含めた歯周組織はある程度回復することが可能になりました。

しかし、歯周組織の回復率は100%ではないため、できる限りこれらの症状が出る前に検診や治療をすることが望ましいです。


歯周炎の初期では痛みがほぼないので進行していると気づかないままが多く、ある時いきなり強い痛みや違和感がでます。痛みや違和感がでた時の多くは歯周病菌が歯の根の先端で増殖し膿が溜まった状態で、膿が歯肉(歯茎)から漏れ出てくることもあります。

この膿は骨を溶かす力があるので歯槽骨が破壊され、いずれ歯が抜け落ちてしまうことにもなります。まさに歯周炎の末期状態なのです。


口の中の病気である「歯周病」ですが放置するリスクは大きく、歯周病菌が血管の中に入って全身を巡るため、心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化・狭心症・糖尿病・認知症などの発症リスクを高めます。更には低体重児出産や早産になるリスクもあります。

「歯周病」は全身疾患にも深く関わってくるのです。

 

今回は「歯肉炎」「歯周炎」「歯周病」の違いについて、炎症の部位や症状、炎症が起こる原因について解説しました。

当院は歯周病治療に力を入れています。
歯周病について更に詳しく知りたい方はお気軽に当院までご相談ください。

ペリオイラスト

 

投稿者: 桜井歯科医院

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