医院ブログ

2022.08.07更新

こんにちは。今回は歯ぎしりと食いしばりについてお話しします。


歯ぎしり・食いしばりとは・・・
歯ぎしり・食いしばりは、上下の歯が強く接触している状態のことを言います。これらの違いは以下の通りです。

● 歯ぎしり(グラインディング):ギリギリと音を立てて歯をすり合わせること
● 食いしばり(クレンチング):上下の歯を強く噛み締めること

その他上下の歯をカチカチと噛み合わせる「タッピング」という状態や、通常は離れているはずの上下の歯が噛み合っている「TCH」といわれる状態もあります。

 

ブラキシズム


歯ぎしり・食いしばりの原因


歯ぎしり・食いしばりをしてしまう原因はさまざまですが、ストレスを感じたときに無意識に行なってしまう人が多いです。

またスポーツ選手などであれば、パフォーマンス中体に力を入れるタイミングで歯を食いしばったり、緊張しているときに無意識に食いしばったりすることも考えられます。

加えて噛み合わせが良くないことや、成長期の癖・習慣などにより歯ぎしり・食いしばりをしてしまうこともあります。

 


歯ぎしり・食いしばりによる影響


歯ぎしり・食いしばりを続けていると、以下のような影響が出ます。

● 歯がすり減る(磨耗)
● 歯が割れる、歯根が折れる(破折)
● 歯周病の悪化
● 顎関節症になる など

 

歯がすり減ると(歯の表面のエナメル質が削れると)、内側の象牙質が露出し、飲食や歯磨き時などにしみたり痛みを感じたりします。また露出するということは、象牙質が食べ物や飲み物の影響を直接受けるということ。エナメル質よりも酸に弱い象牙質は、細菌などにより作られた酸によって簡単に溶かされてしまいます。

 

加えて、歯ぎしりや食いしばりをしていると歯が折れたり割れたりすることも多いです。歯の破折が起こると、ヒビの部分から細菌が入り込み痛みや違和感を感じるようになります。破折した歯は、状態が良ければ残せることもありますが、予後を考えて抜歯になることも少なくありません。つまり「歯ぎしりや食いしばりで歯を失うこともある」ということです。

ある調査では抜歯原因の3番目が歯の破折だそうです。https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-04-002.html

その他歯ぎしり・食いしばりにより、歯や骨に強い力がかかり続け歯周病が悪化したり、顎関節症につながったりする可能性もあります。

 

ブラキサー

 

歯ぎしり・食いしばりの治療方法


先述の通り、歯ぎしり・食いしばりの原因はストレスであることが多いです。

そのため根本的な解決法は、ストレスを感じている理由を見つけそれに対処することでしょう。

また癖や無意識的に歯ぎしり・食いしばりをしているようであれば、口元を意識するようにして治していく方法もあります。

 

ただいずれも簡単なことではなく、長期的に向き合っていく必要があります。その間も歯は歯ぎしり・食いしばりによる影響を受けています。また歯ぎしり・食いしばりによりストレス発散を行なっている場合は、無理に止めようとすることでかえってストレスが溜まってしまうこともあります。

歯科医師や歯科衛生士がお口の中を見れば、歯ぎしりや食いしばりの様々なサインがわかるのですが、厄介なのは患者さん自身が「気がつきにくい」こと。

 

そのため当院では大切な歯を守るために、マウスピースの作製・装着をおすすめしています。

マウスピースを装着することで、歯ぎしり・食いしばりをしてしまっても歯への負担を和らげることができます。

歯への負担を減らし、歯を守ることは、「歯を長持ちさせるための予防策」とも考えられるのではないでしょうか。

なお歯ぎしり・食いしばりのためのマウスピース作製には保険が適用されます。お悩みの方はご相談ください。

スプリント

投稿者: 桜井歯科医院

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